「あ…」
「今度は何」
いらついた春香さんの声にビクッとすると
「あ…ごめんね」いつもの優しい声に戻った。
「お花…お花の交換にお家に行くから会えるよ」って言ったけど
「今まであってねーだろ」って言われ
確かに一度もあったことがなかった。
「仕事してんだよ。俺らも」
極道の仕事って何だろうって疑問がわいたけど黙ってた。
「なんで実家に戻ってお袋と一緒に結衣と話さなきゃいけねーんだよ」って言葉に
「え?別によくない?」って言ったけど
「まじ勘弁」って司も言うからいつものお酒飲みながらのバカ話しは、確かに出来ないかなとも思った。
「結衣、カウンターはもう諦めな」って言葉には
「うん」って素直に返事をした。
それから来るときは、必ず連絡をしてからということになり、
それには、隼か司、春香さんのいるとき限定になった。
もう気が向くままに行くことは出来なくなった。
自分の蒔いた種だから仕方ない。
春香さんと約束して行くような感じでいいと言われた。
大和さんがいても店のことがあるから、守りきれないって話しになり
そこまで厳重にしなくても大丈夫だって言ったけど
女たちだけですまない場合もあるって言われて
渋々了承した。
