私が真剣な顔つきなのがおかしいのか春香さんが笑いだし
「まぁ家系図はおいといて、本題はそこじゃないの」
理解していないのに先に進める自信がまったくない。
お陰で頬の痛みすら忘れていた。
「問題は、2人が極道だってことだ」
大和さんの声が響いた。
私が顔をあげ大和さんを見つめると
「外では一切知らない顔をしろと言われてただろ?」
それは、確かに理由も聞かされなかったし聞きもしなかった。
だけど約束したのは事実。
「結衣が、藤堂や龍崎と関わっている事がわからないようにだ。細かいことは知らなくてもいいが、藤堂はとてつもなく大きい組だっていうことは覚えておいて」
「うん」
返事をしたけれど大きい組と言われても、一般人の私にその仕組みや規模がわかるわけもない。
今度は隼の顔を見た。
「大和の店は会員制だから出入り出来る人間はチェック済みだ。他の組の人間が紛れこまないようになってた。だから俺たちも結衣を誘えた」
司の顔も見た。
「俺たちも、1人では決して歩かない」
「極道の若頭ってな…いろんな意味でまぁ大変なんだよ」
「あんなに気をつけていたのに…。それなのに問題が起きた」
春香さんがガックリと肩を落とした。
