【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀



私が真剣な顔つきなのがおかしいのか春香さんが笑いだし



「まぁ家系図はおいといて、本題はそこじゃないの」



理解していないのに先に進める自信がまったくない。



お陰で頬の痛みすら忘れていた。



「問題は、2人が極道だってことだ」



大和さんの声が響いた。


私が顔をあげ大和さんを見つめると



「外では一切知らない顔をしろと言われてただろ?」



それは、確かに理由も聞かされなかったし聞きもしなかった。



だけど約束したのは事実。



「結衣が、藤堂や龍崎と関わっている事がわからないようにだ。細かいことは知らなくてもいいが、藤堂はとてつもなく大きい組だっていうことは覚えておいて」



「うん」


返事をしたけれど大きい組と言われても、一般人の私にその仕組みや規模がわかるわけもない。



今度は隼の顔を見た。



「大和の店は会員制だから出入り出来る人間はチェック済みだ。他の組の人間が紛れこまないようになってた。だから俺たちも結衣を誘えた」




司の顔も見た。



「俺たちも、1人では決して歩かない」



「極道の若頭ってな…いろんな意味でまぁ大変なんだよ」




「あんなに気をつけていたのに…。それなのに問題が起きた」



春香さんがガックリと肩を落とした。