「隼は、藤堂組の若頭、司は龍崎組の若頭なんだよね」
「ん?若頭って?」
「極道…わかる?ヤクザなの」
「えっ?うそ」
私はまだ酔っているんじゃないかと思った。
固まって動けなくなっている私に
「隼の親父さんと司のお袋が兄妹、2人はいとこだ。そしてな、隼のお袋の姉貴が俺のお袋だ。わかるか?」大和さんの言葉が続いた。
隼のお父さんとお母さんでしょ。司のお父さんとお母さんでしょ。
それで大和さんのお父さんとお母さんがいて…
「ん…大和さんは隼のいとこってこと?」
「そうだ」
「大和さんもやくざなの?」
「それは違う。俺のお袋の妹が藤堂組長と結婚しただけ」
「うん」
やくざと結婚しただけっていう表現も違う気もしたけど黙ってた。
「隼と俺のつながりはわかったかな」
「うん」
「司のお父さんの妹が私の母。つまり私の母の実家は極道。龍崎家の長女」
春香さんの言葉に混乱してきた。
「ちょっとまって…わからなくなった」
「春香さんのお父さんは極道?」
「あはは それも違う。まぁ…グレーゾーンと言った方がいいかな」
「大和さんと春香さんは親戚?」
「難しいだろ。血縁関係はないけどまぁ遠い親戚だろうな。俺は、隼の家と親戚関係で春香は司の家と親戚関係だ」
何だか図に書かないとわからない人間関係。
でも、長い付き合いのような間柄には感じてたから納得した部分もある。
