「結衣ちゃん大丈夫か」大和さんが私の顔を覗きこんできた。
赤くなった頬を見て「2度とあいつらは店に入れないから安心しろ」頭を撫でてきたが、その手が止まると
「結衣ちゃん…髪も引っ張られたのか」
ぐしゃぐしゃになった髪が何本も大和さんの指に絡みついていた。
ほんとに痛かった。
私は無言で痛い頭部を撫でた。
「わたしが来なければすべて解決だから。春香さんとも大和さんとも家で会えばいいから」
大和さんに対して申し訳ない気持ちはあった。
大和さんはまったく何も悪くないのだから。
それに少なくとも今日の出来事は、私がいなければ起こらなかった。
悪い評判がたってしまったらどうしよう。
取り返しのつかないことになってしまったのではないかという不安とさっきの出来事、そして司や隼といることでおきた出来事へのイラつきで胸の中がざわついてきた。
