痛い…。

何なの…。

もう最悪。

立ちあがると

「もうわけわかんない」


むっとして立ちあがり化粧室のドアをあけた。



少し離れたところに司が立って電話をしている姿が見えた。


「待ちなさいよ。生意気なチビ」


中から聞こえてきた大きな声に司が足早に近づいてきた。


「どうした」


心配そうな顔でわたしを見た。



ぶつけて赤くなっている私の頬をそっと撫でると



「中?」と聞いてきたけど



「もう司も隼も最悪過ぎてイヤ」



そのまま店を出ようとした私を司が右手で抱え込むとバンと足で化粧室のドアを開けた。



「こいつに手をあげたのはどいつだ」



低いどなり声が響いた。



「ヒッ…司」



司の声で女たちはバックをぶつけてきた女の方を一斉に向いた。


「お前か。誰の女に手をあげてんだ」


バッグをぶつけてきた女の腕を掴むと引きずりだそうとする。


いつもの優しい司じゃない事に驚いたけれど


暴力に暴力?なんて思うだけでイライラする。