【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀



だけど、カウンターでの会話が回数を重ねるごとにちょっとした変化がおきてきた。


本当は少し前からわかってはいたけれど、このところそれがひどい。


振り返ることのない私でも感じるぐらいだ。




私の隣に隼さんや司さんが座ると店に来た女の子たちが彼らに声をかけて



自分の席へと誘ったり、私に席を移動するよう仕向けるからだ。


何度も隼さんや司さんに

「行ってきなよ」と声をかけるけれど


司さんは「気にするな」と言って動くこともなく


隼さんは、私と同じように振り返りさえしない。


無関係は聞こえないのかもしれない。



そうなるとトイレへ行こうと席を立ったときや、カウンターに座っていても背中に刺さる視線が痛い。


聞こえるように、私への中傷と思える発言もある。



そんな時、司さんは楽しい話題をどんどんふって笑いでかき消し



隼さんは、私の匂いをかいで一瞬でそんな音をかき消してしまう。