黒埼さんも隣へ立ち
「いいね。俺が見ても楽しい」表情がにこやかだった。
「結は、私と同じ名前のバラなんです。継続していただけたお礼のご挨拶を私の代わりにこのバラに託したってとこかな?」照れ隠しに笑うと
「あぁ…結衣さんみたいな花だなって思ってた」
「私みたいですか?すごく嬉しいです」
「この結ってバラの匂い…何の匂いだろ…」
「ミルクティーっぽくないですか?」
「あーそれだ!すっきりした。しかし、この友禅バラって結衣さんが持つと大きいだろうね」
いつも言われるフレーズに笑いがこみ上げ
「それちっちゃい思ってます?」
黒崎さんを見上げながら笑うと
「いいや、結衣さんにはこっちの結が似合うって話だよ」
慌てたように首を振る黒崎さんの口元にも笑いが浮かんでいた。
「安心しました。ウフフフ」
私がそう答えると黒崎さんは口元だけでなくはっきりとした笑顔がみえた。
私は片付けをしながら、入れ替えたカラーの花とまだ楽しめそうな花を選別すると下の方の茎を切り持ってきたラッピングで簡単に花束を作った。
「ご家庭では、まだ十分楽しめるのでご自宅用にどうぞ」
黒埼さんに手渡し片付けをしてAILESをあとにした。
