【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀



何でもそこの社長さんは悪い人ではないらしいが、好き嫌いがはっきりしていてイヤなものは徹底的にイヤという人らしい。


勇人さんのアレンジメントを好む人もいれば好まない人もいる。


それは勇人さんに限ったことじゃなく正解があるわけじゃないので好みの問題でしかない。


だけど繊細な神経の勇人さんの胃はついには音をあげてしまい今日の欠勤となってしまった。



そんなところへ行って私の活けた花も気に入らなければ仕事が減る。


定期的に大きな花瓶への花の入れ替えがひとつでも減るのは痛手なわけだ。


「うむっ。わたしで大丈夫なんだろうか」


「結衣ちゃんでもダメなら仕方ないよ。好みの問題だしね。でもセンスいいから大丈夫と信じて行ってきてよ」


「ダメでも許してね」


両手を合わせ店長に詫びると


「あぁ」と笑顔が返ってきた。

店長が行けばいいのにと思うけれど、その時間帯は店長も長いおつきあいのお店の花の入れ替えがある。

どうにか今日をクリア出来れば店長にバトンタッチも可能だ。



そんなわけで、どんな花にしようか頭の中であれこれ考えながらショップに訪れるお客様に花束を作ったりして接客をした。