食事が終わりホテルの前に出ると
「お帰りなさい。お食事はいかがでしたか?」
「お陰さまで美味しかったです。今度は高野さんも一緒に食べましょう」
声をかけるとびっくりした顔をしていたけど
「高野の名前を聞くタイミングがなかったらしい」
2人は顔を見合わせクスクスと笑い
「結衣さん、高野 武と申します。いつもお声をかけていただいてありがたく思っております」
「吉永結衣です。隼をいつも安全に送り届けていただいて感謝してます。一番最初にお会いしたのに今日までお名前でお呼びすることも出来ないままだった事を許して下さい。本当にすみませんでした」
頭を下げると
「結衣さん、そんな事ないですよ。私はお2人が出会った時からずっと見ているんです。人より得してるんですよ」
「え?」
隼の顔を見ると少し笑って
「酒屋で会ったとき、高野は、俺の警護の為に少し離れたとこにいた」
「もしかして、あの醜態を見られたわけですね。全然知らなかった。恥ずかしすぎる」
思わず真っ赤になってしまった。
「若は、女性が近づくのを嫌がられますのですぐに傍に行こうと思いましたが、目で来るなとお止めになったんですよ。リラックスされた顔をされていたので、私は少し先に車を停めてお待ちしていたんです」
「ほんとに恥ずかしい。あんな事初めてであれからも、一度もやっていないんですからね」
バックミラーで顔が赤い私を見ながら
「若もあれが最初であれっきりですよね」
そう言って小さく笑ってた。
