「親父」
「あぁ入れ」
響さんの声が聞こえ、中に入るとソファーのまわりに私を追いかけまわした4人と司が楽しそうに日本酒を飲んでいた。
「結衣ちゃんはまずはビールじゃなきゃイヤだよね」
由香里さんが笑いながらビールをついでくれた。
「じゃあ 改めて乾杯」
みんなで乾杯をした。
隼は美味しそうに日本酒を飲んでいた。
「あれ何のイベントだったんですか?私、お風呂から出て休んでたら、隼に由香里さんたちには絶対に騙されるな。仲間を信じて走れ絶対逃げ切れって言われてわけもわからないままだしどこかもわからないしでそれでも、走るしかなくてクタクタでしたよ」
「結衣ちゃん。由香里も私も結衣ちゃんと同じように逃げ回ったのよ」
「え?佐和子さんも由香里さんもですか?」
「そうだよ。結衣ちゃんは、組員たちが助けてくれたでしょ?私や佐和子は1人よ。1人で30分必死に逃げ回ったのよ。ねぇ佐和子」
「いくら実家とはいえ、私なんて朝の5時よ朝の。寝てたのにいきなり走れ、絶対逃げ切れ。捕まるな。ってね。朦朧としながら走ったわよ」
「私は、この家中の襖がえと畳替えがあって手伝いに呼ばれてたの。連日大忙しでやっと終わった最終日の夜、これでゆっくり眠れると思ったら、由香里、走れ捕まるなって。まさに鬼よ。」
思い出したようにクスクスと笑い
「先代たち4人よ。家の中を知り尽くしてるの。今回は貴裕が結衣ちゃんレベルだからさ。あははは」
佐和子さんも楽しそうに笑いそれでもキョトンとしている私に
響さんの深みのあるバリトンボイスが
「結衣ちゃん。腹くくったのか?極道の女になるって本当か?」
思わず隼の方を見るとうんと頷いているから
「はい」と返事をした。
