そんな様子を見ていた人たちからは笑い声が聞こえ
「溺愛ですな」なんて言われても
当然のような顔で頷く3人に困りながらも感謝の気持ちでいっぱいになった。
「いやぁ…そうなるのわかりますよ」
「そうですね。本当に可愛らしい」
そんな言葉には慌てて首を横にふるけれど
「一緒に生活すると、日に日にその可愛さに吸い込まれてよ。今じゃ何をしていても可愛い。毎日の見送りや出迎えが楽しみで仕方ねぇ」
深みのある響さんのバリトンが今日は一段と甘い。
「植木、お前も溺愛だよな」
響さんが笑いながら言うと
「あぁ。可愛いなんてもんじゃありやせんよ。良くこんなにも穢れなく大人になったとお天道様に感謝してぇぐらいです」
植木さんの言葉に強面の一団は大笑いを始め
「玄関のとこにいつも見事な花が活けてありますがあれも結衣さんが?」
「はい」
「花なんて気にもしてねぇ自分でも思わず足を止めたこともありやす」
「花屋冥利につきます」肩をすくめて言うと
「家にもお願いできやせんか?」
「あ…家もお願いしやす」
「あ…はい。でもまだ外出が出来なくて…」
「なぜ?一歩も外に出さないんですか?」
そんな会話から忘れかけていた出来事を思い出した。
