俯いていると
「結衣さんとおっしゃいましたかな?」
名前を呼ばれ顔をあげると
「組長、若のいい人ですかい?」
頬に小さな傷のある男の人が響さんに聞いたから慌てて
「吉永結衣と申します。ただの…住み込みの花屋です」
「え?結衣ちゃん?あはははは」
「プッ…結衣…」
佐和子さんと司は緊張感というものがないのだろうか。
隣の隼はチッなんて舌打ちするしもう身の置き所がない。
私は変な噂になったら困るんだろうと名乗ったまでだ。
隠しておきたかった存在がここに来てしまったのだからどうにかこの場を取り繕いたい。
だけど響さんも笑いだし由香里さんも大笑いをはじめ
最後には不機嫌だった隼まで笑い出した。
