「大和さぁん…」そう呟いたのが聞こえたんだろうか
隼さんがバチンと司さんの手を払いのけると
私の腰に手をまわし身体ごと隼さんの方へ引き寄せた。
ドキドキしたけれど正直助かったと思った。
司さんより隼さんの方がまだ少しは知った人だ。
それに失礼な態度もとらないから
「ありがとうございます」って小さい声でお礼を言った。
その時にガラス張りのVIPROOMのドアが開き
「ガキ共、うちの妹から離れろや」
笑いながら春香さんが入ってきた。
「春香さ~ん」
私は連れ出して欲しくて春香さんに助けを求めたけれど
スッとソファーに座ると
「可愛いでしょ」何だか自慢げに言って手にしたビールを飲み始めた。
