強引な人がいいという人もいるかもしれないが、私にとっての王子様のイメージからは相当なマイナス要因だななんて思った。
「いい男でしょ?惚れちゃう?」なんて余裕発言までして
「いや、それはないです」と答えた。
だってドキドキさえしなかったから有り得なさすぎる。
「フッ」ってまた聞こえてきたから隼さんの方を睨むと小さく笑っていて小馬鹿にされたように感じた。
じゃあ出会いに乾杯しようと私にグラスを持たせるから
仕方なく3人で乾杯した。
「今日、初めてきたの?」
「ううん。もう1年半ぐらい来てます」
「えー逢わなかったね。こんな可愛い子いたらすぐわかるのに」
相変わらずの軽い発言にありえなーいなんて思いながら
「いつもカウンターに座って22時には帰っていたので」
「お嬢様なの?」
「いいえ。春香さんと大和さんとの約束なんです」
2人とはなぜ知り合いなのかとか、何の仕事をしているのかだとかいろいろ聞かれてそれにひとつひとつ答えていくだけで精いっぱい。
「司、少し黙れや」隼さんがそう声をかけても
「無理無理。もっといろいろ聞きたい」と私の肩に手をまわし自分の方へ引き寄せる。
