「でも、覚悟で入れた人のことを悪くは思ってないですよ」
慌てて付け加えた。
人の思いは違うことと本当に強い覚悟でなければ、とても出来ないことだということは入れたことがない私でもわかるから。
植木さんは うんうんと私の話を頷きながら聞いていて
「結衣さんが思うことは、若に話して相談したらいい。どんな時でもどんな事でも結衣さんの話はちゃんと聞いて考えてくれるお人だ」
「はい」
それから、もう刺青の話を誰とすることもなかった。
隼から刺青を入れたいと言われる機会すらなくしたかったから。
植木さんのいう通り派手な柄のシャツを思うことには苦労したが
気候のせいで、見える事もほとんどなくなり
洗い場では毎日みるからすっかり目が慣れた。
当然、配膳のスペシャルトリオは毎晩力をいかんなく発揮して
渡辺さんがいつも大笑いをする。
野菜を切ったりのお手伝いもする。
すごい量の野菜で、結構大変だけど楽しい。
ボスたちの歓迎ぶりは相変わらずで三浦さんがいつも一緒にいてくれる。
それに、隼がいない時、困ったと思っていると必ず現れてくれるのが三浦さんで、迷っていても、誰に言えばいいのか悩んでもすぐに助けてくれるスーパーマン。
最初の隼の予想通り三浦さんが一番私の世話で忙しいのかもしれない。
毎日毎日が幸せに思うぐらい楽しくて
佐和子さんや司、そして春香さんも良く遊びに来てくれるから
外出できなくても退屈はしない。
隼の家に来るようになった事件…
そんな事があったことさえ忘れてしまいそうだ。
