「隼は帰ってるのか?」
「はい。食堂にいます。由香里さんはAILESにお出かけになってます。奏くんはまだです」
「1人だったのか」
「だから、子どもじゃないんだから大丈夫なんですってば」
「あはは。そういうつもりじゃないんだけどな」
言いながらも響さんは笑っている。
「響さんはお着替えされてからお食事ですか?」
「そうだな。着替えてくるかな」
「お手伝いすることありますか?」
「あはは。結衣ちゃんありがとう。大丈夫だよ隼のとこへ行ってやってくれ」
「はい」
「行けるか?」
「行けるんです」
頭を下げてからすまして食堂まで歩き出すと後ろから笑い声がした。
え?もうわかっちゃった?響さんの方を振り返り
「何かバレました?」笑いそうになりながら聞くと
「いいや何も知らないよ」
「良かったです。食堂にいます」
私は知らないふりをしてくれているであろう響さんが可笑しくなりながらまた歩きだした。
