【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀



席につくとおかずが運ばれてきた。


「座ってた方がいいんだよね?」


「あぁ。座ってろ」


「ビールとか飲むのはあり?」


「今もってきてくれる」


「いいよ。自分でもってくるよ」


立ちあがろうとしたら手をひかれてまた座った。


「もってきてくれるから座ってろ」


「はい」


何だかこのシステムは私には居心地が少々悪い。


悪いというか違和感なのだろう。


いろいろ聞いて理解しなければいけない事が多すぎる。




組員さんが隼と私にグラスを置いてビールをついでくれようとした。


「ねぇ…」


「ん?」


「つぐのも分担?やりたいものなのかな?私じゃダメとかある?」


「あははは。じゃあ自分で聞いてみろ」


やりとりを聞いていた組員さんが私の方を向いていたので、


「変わりについでもいいですか?」


「もちろんです。若もその方が喜ばれると思います」


微笑むとビールを私に手渡してくれた。


「ありがとうございます。でも…もしかしてつぎたかったですか?」


「結衣、大丈夫だ」


隼は楽しそうに笑っていたけど何か気になる。


隼のグラスにビールを注ぐと隼が私のグラスに注いでくれた。