「大和っち~」そんな声が聞こえてきて
「チッ司来たのか」
隣から不快そうな声が響いた。
「隼、なんでお前今日はカウンター?」
歩いてきた男は、私と隼さんの椅子の背もたれに手をかけたようだ。
グッと後ろに傾いたような気がするから間違いない。
「別に」
隼さんは、その人に答えた後、何か話し始めた。
私は、また大和さんを見つめ空になったマティーニのグラスをカウンターにのせると
「同じの」とお願いした。
その時、男の顔が突然私の顔の前に現れ
「キャッ」と声をあげると
「司!」と大和さんの怒った声。
「何、隼のつれ?大和の?」
いきなり私の椅子をグルリとその男の方へ回した。
「うはっ可愛い」
その失礼極まりない男は1人で話し続け
「俺と春香の妹だよ。触るな」と大和さんが不機嫌MAXで答えてた。
