「あけまーす」
「はいどうぞ」
由香里さんの声が聞こえてきた。
「あら、大荷物ね。それに司、その花」
「司にお使いたのんじゃったんです。お花の手入れをしてあげたかったけどお店に花鋏も置きっぱなしで…それにご心配かけたお詫びとかお礼とか、よろしくのご挨拶とかもろもろでお礼のアレンジメントをつくろうかなって」
「あら。楽しみね。でも結衣ちゃん手は大丈夫なの?」
「手は、ほら大丈夫です」
ヒラヒラと動かして見せると
「濡らさないように気をつけて。また傷が開いたらと思うと怖いわ」
「慣れっこだから器用なもんなんですよ。それと…お花ですが由香里さんや、佐和子さんのとこに飾るみたいな高い花じゃないですよ」
肩をすくめてそれを伝えると段ボールの中からシートを取り出し
バケツに水を汲んで来た。カッティングしたオアシスを沈め
「ここだと行きたいとこにすぐ行かれるから」
自分で言って自分で笑った。
