「じゃあ俺はそろそろ出かけるんで」隼が席をたった。
私も慌てて立ちあがると
「隼、お前お見送りさせるのかよ」なんて貴裕さんが笑い
「出迎えてもらっただろうが」
隼は含み笑いをしながら部屋を出ていった。
わたしも後をおいかけて玄関へ行くと
「おっ植木なんでここに?」
「若、自分はいつもここにいるじゃないですか」
「あぁそうだったな」
隼が笑いながら歩き始めたので
隼の車のそばまで一緒に歩いて行った。
「さっきは、植木さんがいるの珍しいって佐和子さんが言ってたよ?」
「タイミングがずれてただけだろ」
「なるほど。じゃあ気をつけてね。怪我しないでちゃんと帰ってきてね」
「あぁ。大丈夫だ。不安になったら電話しろよ」
「うん」
「いつでもいいからな。わかったか?」
「あはは。はい。いってらっしゃい」
「あぁ」
司のように屈みこんで私を見つめると
後頭部に手をそえてそっと引き寄せて言う隼に真っ赤になって照れ笑いしかない。
隼は優しく微笑んで車に乗った。
運転手さんにも「お気をつけて。よろしくお願いします」
赤い顔のまま挨拶をして隼の車を見送った。
植木さんが「若、嬉しそうでしたね」って言うけど
「会話はすぐに電池が切れるからあぁとか、あ?になっちゃうんですよ。ん?もあるか」
言いながら笑うと植木さんも笑ってた。
