その後、ものすごい含み笑いを浮かべた顔で
「結衣ちゃん、龍崎の組長は何て呼ぶの?」
「え?組長さんのことですか?どうしよう…組長さんはやっぱりイヤですか?隼は何て呼んでたっけ?」
「伯父貴。」
「伯父貴さん?え?いくら何でもそれは可笑しいよね?伯父さん?伯父様?どうなの?」
「あははは」
佐和子さんと組長さんが笑いだし
「あなた、可愛い呼ばれ方もいいわよね。結衣ちゃんやくざさんとか極道さんって言うのよ」
「組長さんか。それもいいな。でも伯父様も捨てがたい。あはははは」
「失礼にあたったのでしたら申し訳ありません」心配になって謝ると
「失礼なんかじゃないよ。嬉しいよ」と微笑んでくれて
「貴裕さんと名前で呼んでくれますか?時々は伯父様も頼むね」って言われた。
「ブッ」司が吹き出し
「チッ…親父もまったく同じ事言ってた」隼が呆れたように言うと
「結衣、イヤなものはイヤって言っていいんだぞ」なんて司に言われ
「失礼じゃないならいいんですけどよろしいんですか?」
「そう呼んで下さい」
「はい。貴裕さん」って言ったら
「いいなー」ってにこにこしていた。
もしかすると名前であまり呼ばれなくなるから
名前で呼ばれたくなるのかもしれない。
普通の家でもお父さんお母さん、パパやママなんて呼ばれたり
名字で呼ばれたり、ましてやくざだと組長や姐さんって言われて
名前で呼ばれることがあまりないのかもしれないのかなと思った。
