「吉永結衣と申します。お名前伺ってもよろしいですか?」
「植木 潤と申しやす。よろしくお願えしやす」
「こちらこそよろしくお願いします」植木さんと微笑みあった。
「みんな隠れるの上手いですよね。何度も来てたのに一度もお見かけしなかったんですもの」
「そりゃまぁ。でも自分らは、結衣さんの姿をお見かけしてましたよ」
「そうなんですか?それはずるいですよねー。クスクス」
「ずるいですよね」また顔を見合わせて笑った。
植木さんは温かみのある話し方をされる。
響さんよりももっと年上の方で白髪まじりの髪が私に安心感をくれた。
響さんはもう出かけてしまったのだろうか。
お見送りをしたいと思っていたので聞いてみると
やはりもうお出かけになられた後だった。
広すぎてわからないことが残念だ。
私が、がっかりしたのがわかったようで
「機会があったら見送ってさしあげて下さい。組長もお喜びになりますよ」
また優しい笑顔をで話しかけてくれた。
「もちろんです」
そう答えた私に
「若は?」
隼の事を聞いてきた。隼は一緒に途中まで来たので下の部屋にいるはずだ。
それなのに心配そうな顔をされるので
ちゃんと断ってきたことを告げるとそれなら安心だとホッとしていて
私が勝手に動きまわるとでも思われているのだろうか。
「ここにきてから、何かみなさんすごく私を子ども扱いするんです。ちゃんと大人ですからね」
感じている不満を言ってみた。
「はい」
返事をしてくれるそばから笑っていて
「幼いですか?ちっちゃいからですか?」って聞いたら
「いいえ、可愛らしいんですよ。だからみんなそうなってしまうんだと思います」
そう言って頭をポンポンと叩くから
やっぱり子ども扱いされているなと思った。
