【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀



無言のまま手を引かれるように歩いていくと


家の中でも1人で動きまわれない私の目に、見慣れた絵画が見えてきた。


ここはわかるとホッとした。


入り口から一番近いあたりだ。



「隼、玄関の外に出ていい?」


「外で待ってるのか?」


「うん」


「他にも組員さんのお名前聞いても平気?」


「あぁ。大丈夫だ」


「ありがとう」


「門から出るなよ」


「子どもじゃないんだからわかってるよ」膨れて答えると


「どーだか」なんていうからベーッと舌を出した。


おいてあったサンダルを借りてガラガラと引き戸をあけると


「結衣さんどうかしましたか」


年配の男の人に声をかけられた。


佐和子さんと司がくるのを待っていようと思うことを伝えると


来たら呼ぶと言う。


ここにいたらやっぱり邪魔なんだろうか。


出来ればここで待っていたい。


恐る恐るその男の人に聞いてみた。


「ここにいたらお邪魔ですか?」


「そんなことはないですよ」


イヤな顔しないで優しい顔で答えてくれた。