【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀



「だって、結衣ちゃんってこういう子よ。見た目だけじゃなくてこうなんていうの穢れがなくて、きゅんとしちゃうっていうの?佐和子と取り合いよ」


そう言ったあとで


「それに、このバカ隼より親密な関係なのよね。結衣ちゃん」



勝ち誇ったような由香里さんに、エアー彼氏の話を思い出し



「もちろんです」私も吹き出した。



チッなんてまた舌うちが聞こえてきたけど



「龍崎のやつには会わなくていいからな」なんて響さんが言ってきて





龍崎のやつとは、佐和子さんのご主人、つまり司のお父さんで、私が藤堂家にいることで勝ち誇った気分でいると笑いながら教えてくれた。



「な…なんで?」



「佐和子の旦那も結衣ちゃんに会いたくて仕方ないのよ」



「あぁ…お世話になっているのでご挨拶をしたいなとは思っていたんですけど」



一緒に食べるといいとお菓子を買ってきてくれたとか、



話しだけじゃなく会ってみたいなと言われたとか佐和子さんが話してくれてたのできちんとご挨拶がしたかった。



「会わなくていい。世話なら勝手にやかせておけ」


なんていう響さんに苦笑いだ。


でも嫌いなわけじゃなく隼と司そんな間柄みたいな気がした。



楽しい会話で食事が終わったとき



「結衣ちゃん。今度の結末を全部知りたいか?それとも聞きたくないか?」


響さんに聞かれた。



もう思い出したくない出来事ではあるが、気にならないといえば嘘になる。


返事に困っていたら


「良く考えてからでいい。知りたくなったら私のところまで来なさい」


響さんは、また頭をひとつ撫でると由香里さんと食堂を出て行った。