【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀



「いただきます」


ちゃんと言って食べる組長さん。


その声もバリトンで顔がにやけてしまう。


「お箸、大丈夫か?」


私がお箸をもつと声をかけてきて


「ほら、フォークがそこに」


私の前には和食に不自然なフォークまで置いてあって


「フフッ…指先は動くから大丈夫です」


笑い返すとにこやかに微笑んでくれた。



またキュンッとなりそうだったけれど、


隼と目が合い睨まれている気がしたから冷静さを取り戻し食事を始めた。


しかしこれだけの人数の食事の支度なんて大変だろうなと思う。


品数も豊富でバランスのいい食事だ。


私の朝食とは大違いなんて思いながら箸をつけた。


「美味しい」


最初の箸をつけた白和えに思わず笑顔になる。


お味噌汁も美味しい。


焼かれたタラの粕漬けも筑前煮も瓜の漬物だって美味しい。


夢中で食べていると


「うまいか?」

組長さんが聞いてきて


「はい。すごく美味しいです」


由香里さんが「口にあって良かった」って微笑んでくれた。