「あんたが目ざわりだってよ。外に出れないぐらいにしてやれってね。しかしまぁ、こんな可愛い子をやれなんてもったいねーな」
その男の顔をキッと睨みつけた。
「そんな強気な顔は似合わねぇな」
男は冷ややかな視線を送り
恐怖で震えた私の右手が口を塞ぐ男の手に届いた瞬間、
私の手の甲をスーッとナイフが滑っていった。
「っ…」
切られた傷口から血の流れる感触に死を意識した。
「可愛い顔が恐怖で怯えるっていいねぇ」
不気味に笑うと
「ここじゃやらねぇよ。お楽しみはこれからだ」
「んっ…」
口を抑えられているから声も出せない。
それよりも恐怖で声がでないのかもしれない。
息も苦しくなってきた。
ニヤッと男は笑うと左の手が口もとから外れ私は慌てたように息を吸い込む。
けれどそれも一瞬の出来事で男の左手は私の口から顎を撫でるように通るとすぐに私の首を力いっぱい抑えつけた。
