【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀


「大丈夫です。ろくな恋愛なら私もしてないですから」


「え?変な男に騙されてばかりなの?暴力振るわれるとか?その怪我ってまさか…」



「ち…違いますって。高校生の頃の大失恋が思ったより痛手で…恥ずかしながらエアー彼氏と暮らしてもう5年です」


「えーーーっ。ずっと彼氏いないの?うそーー」


「今の結構傷つきました」


頬をふくらませながら

「これも極秘事項だったんですからね。春香さんしか知りません。大和さんは聞いてるかもしれないけど…あとは誰も知りません」そう伝えると



「うあぁ~あいつらより親密な関係よ私たち」



佐和子さんが本当に嬉しそうで


「変な名前の罰ゲームで何かやりますか?」って言ったら


「絶対にイヤ」って大笑いしてた。



こうやって話していてもちっとも極道の世界を感じない。


あまりにかけ離れていて想像が出来ないからかもしれない。



楽しい関係はこれからも続くといいなって本当に思った。



いつもより長居をしてしまい、時計を見て慌てた。



「次は、1週間後で大丈夫だと思います。もしその前に元気がなくなったら連絡下さい。一応来週の同じ時間で予定しておきます」



「1週間待ち遠しいわ」


「太るからそのぐらいないと困りま。」


「確かに…」


「でも結衣ちゃんにはケーキが大きい?」


「それちっちゃい言ってます?そんなにちっちゃくないですよ」


「ちっちゃくないちっちゃくない。ちょっとだけよ」


「うん。そうそう。ちょっとしかちっちゃくないよ」


「もーーー」


3人で顔を見合わせて笑った。