【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀


「ありえな…ありえなさすぎて可笑しいわ」



「ちなみに大和さんは山ごりで春香さんは、春巻きって呼ばれてました」


「あっはははは。もうダメ。笑いすぎてお腹痛い」



「まぁ…最近はもう普通に名前で呼び合ってますけど携帯に登録する時は、記念みたいなものなのでそう登録しあいました」



「じゃあ結衣ちゃんが電話すると半ケツって出るの?」



「そうですよ。誰にも見られたくないですね」



「見られたくないわよ」



ゲラゲラと楽しそうに笑ってくれるのが嬉しかった。



心配そうな顔をされるよりずっといい。



「楽しそうにやってるのね。隼は、無愛想だからどうなんだろって思ってたんだけどね」



「あぁ…無愛想っていうか無口だけど、大声でも笑います。」



「隼が?」



「はい。クスッ…最初はびっくりしましたけど、たまに笑いますね。隼さんって不器用な優しさのある人で、ちゃんとその優しも伝わってきます。それに司さんも、面白くて優しくて結構心配性だし。あはは やくざさんなんて信じられません」



「そんな風に言ってくれるなんて嬉しいわ。夜の街はね。あの子たちが何ものかを知ってる人の方が多いのよ。その権力なんかをブランドのように見せびらかしたくて寄ってきてね。可哀想に思うこともあるわ」



由香里さんがお母さんの顔になっていた。



「中学に入った頃には、もうそんな状況だったからね。ろくな恋愛もしてないと思うわ」



佐和子さんもやっぱりお母さんの顔。