高校生活が始まってから、もう1週間が経ちました♪
クラスにも馴染んで、楽しい新生活を送っています*
今週末、友達とコーヒーショップ行くから楽しみ!!
高校生だし、、彼氏ほしいなぁ(笑)

今日のブログをUPしたことを確認すると、私はパソコンの電源を落としてそのままベッドに体を預ける。
きっとお母さんが布団を干してくれたのだろう、心地よい匂いが鼻をくすぐる。
今日も退屈な1日だったな、なんてつまらないことを考えながらスマホを操作。
メールを受信したのを確認してメールボックスを開いた。

私の名前は春宮 栞。
ネットで人気のブログ、「春雪姫」の主でもある。

私のブログは特別面白いものではない。
毎日、平凡な日記を更新しているだけ。
だけど、私の描く絵がネットの人たちに好評らしい。
普段は専用のサイトに投稿するのだけれど、時々ブログにあげることがある。
その時の閲覧数は4桁を軽く越える。
そこからファンができて、普通の記事を読んでくれる人が増えたみたい。

勿論、自分の絵を好んでくれる人がいるのはとても嬉しいけれど、同時に大きなプレッシャーに襲われる。
だから最近は、絵を投稿するのに嫌気がさしてきた。

新着メールは全部で38件、すべて迷惑メールフォルダに振り分けられていた。
ファンからの応援メッセージか、アダルトサイトへの勧誘だろう。
「40分くらい前に読んだのに、もうこんな溜まってる…」
独り言を呟いて、スマホの画面をタップする。
「受信メールを全て既読にしてもよろしいですか」
表示された問いかけに「YES」と応える。
画面の中の小さなクマがぐるぐると回転して、「操作が完了しました」と文字で
私に教えてくれる。

「ファンの皆様に申し訳ないなぁ」
隣で寝ているウサギのぬいぐるみに話かけた。
当然返事はない。
「本当は全員に返信したいのに。高校生って忙しすぎて、時間が足りないよ」
‘‘唯一’’の友達にぽつり、ぽつりと私の悩みを打ち明ける。
友達は、決して返事をしてくれることはないけれど、なぜか本当に聞いてくれているような気がしていつも安心できた。
「去年の5月から始めたブログ、三日と開けず更新してきたけど…それすらできなくなっちゃいそう。絵もしばらく描いてないし、どうしよう」
黙って私の話を聞き続けるぬいぐるみを寄せてぎゅっと抱きしめた。
ふわっとした感触が気持ちいい。
「時間がほしいなぁ。でも私ね、本当はそれ以上にね」

「…居場所と友達が、ほしいの」