「わぁー、たくさん人がいるね」






「そーだな、離れんなよ?」






確かに迷子になりそうだよ。

私は瞬の手をしっかり握りしめた。






「何か食べるか?」






「綿あめ!」







「子供だな」








「いいじゃん!美味しいもん」








ムスッとした。

あの甘い食べ物をバカにするな!






「ほら、綿あめ」






瞬はいつの間にか綿あめを買っていた。

あんなこと言っても買ってきてくれた。
う、嬉しい!





「あ、ありがと。あっ、お金……」






と私は財布からお金を取り出そうとしたけど、瞬の手によって止められた。






「金なんていーから」








「ありがと」