出会いの本〜出会えてよかった〜


えーっと…

水守は確か1組だった気がする


2組の前を通りすぎ、1組の前に差し掛かると、

「きゃー!!水守君怒ってる姿もかっこいいー!」

黄色過ぎる歓声。

はぁ…。やっぱやめようかな。渡すの。

教室の扉を少し入った所でそんなことを思っていると

「あ、いいところに来たな美冬!!!」

突然声をかけられる。

声を掛けた奴は水守で

「俺は彼女持ちだから、金輪際近づくなよ?」

へぇ〜

彼女いるんだぁ〜

すると、ズンズンとデジャヴかのように私に近づいてくる水守。

周りからは、

「えー!隼汰の彼女って誰!?」「そいつマジ許せない!」「彼女いたって関係ないわよ!」

そんな事を言ってる女子達

可哀想な彼女さんですな


私の隣に辿り着いた水守。

「あっ、ねぇねぇ本かえ…」

急に肩に腕を回され、必然的に水守と密着してしまう。


「こいつ、俺の彼女だから」

……

一気に静まり返る教室。


「えええ!?!?」

1番最初に声を荒げたのは私だった

その次に

「「「えええええええ‼︎⁇」」」

こっちのせりふじゃぁぁぁ!!


「ちょ、水守!何言って」

言い切る前に

「隼汰君!これのどこがいいわけ!?」「地味専なの!?」「ぶっ殺す」

まてまてまてまてまてまて!私殺められるよ!!


「つーことだ。俺には彼女いるから」

「水守!何言ってんのよ!もうっ!」

そう言うと、私は本を水守に押し付けて

「か、か、勘違いしないでください!」

「勘違いってなによ!」「あんた!名前を教えなさい!」


そんな声が聞こえたが私は教室に逃げ帰った。