出会いの本〜出会えてよかった〜



はぁ…

憂鬱。

学校とか憂鬱。

いやぁ〜。憂鬱。

憂鬱何回目だ。

見事に4憂鬱です。

家で本を読んでいたい私。


今日の朝は美咲に何もなくて、あの日の朝と比べて憂鬱は少ない。

にしても…



「なにって呼んだらいい?みーちゃん?美冬ちゃん?思い切って美冬なんかどぉ? 」

私が想像していた感じとは正反対だった崎森響子。

こういう子だったんだね…

「あ…えっと、なんでもいいよ」

「えー!私友達いないからまずは席の近い貴方から友達になりたいの!」

えー。私は遠慮したいよ。

「そ、そっか。来たばっかりだもんね。でも、私なんかじゃなくて他の人にしときなよ?」

へんに関係を持ちたくない。

あ、でも水守は、なんか気にならないんだよね。

なんでだろ。あいつとは水守公園出会ったのが初めてじゃない気がするんだよね…。


「だーめっ!貴方じゃなきゃダメなの!」

なんで私じゃなきゃダメなの?

でも、これ以上絡むのもめんどくさいし、

「そ、そっか。なら、美冬って呼んでよ」

「いいの!やったぁっ!」

無邪気に喜んでる。

悪い子ではないんだよ。

「うん。あ、ちょっと用事あるから行くね?」

この際だからほんとは放課後に水守に返そうと思ってた本を今返しに行こう!

「うん!授業始まるまでに戻ってくるんだよ?」


ズキン…

思い出してしまう。あの子のこと。

こうやって、友達っぽいことするの。

「う、うん」

すぐにでもこの場から立ち去りたくて、顔も合わせず鞄から本を出し教室から出た。