「傷口が…、塞がってる?」
いや、まさかそんな…と口元に手を当てて驚いている諒ちゃんに目頭が熱くなってゆく。
身体中が血だらけだけどそれでも…、
人形の手によって穴が開いてしまった腕や肩、そして喉が今はもう塞がっていた。
先ほどまで生きているのか死んでいるのかさえ分からない状態だった諒ちゃんの身体が、今、私の目の前で動いている。
信じられない…。
あまりの嬉しさに私の瞳からは、大量の涙が零れ落ちていった。
「…ひっ……、ううっ……ッ」
「結衣?」
涙でよく見えない霞む視界で私の泣き声に気付いた諒ちゃんが、こちらを見ているのが分かった。
私を…、見てくれている。
さっきまで、まるで死んでいたかのように動かなかったのに…。
本当はもう…、
私は全てを諦めていた---
全て諦めていた事だったのに諒ちゃんの動いている姿を見て、歓喜に気持ちが高ぶってくる。



