「…龍」
「あれは…、天神様じゃよ」
「天神様?」
『通りゃんせ』に出てくる天神様の事?
村長さんに尋ねた時にはもう私の話しなど聞いてはいなかったようで、恍惚とした表情で天神様を見上げていた。
「天神様~、どうぞワシの願いを叶えて下され」
『…ネガイ?』
「………ッ!」
村長さんの問いに返事をした天神様の声はかなり低く、地響きがする程に大きくて心臓にまで響いた。
怖くて思わず諒ちゃんの手を、またキュッと握る。
関係ないけど天神様って言葉がしゃべれるんだなぁ…、
なんて関心しながら、村長さんと天神様のやり取りに聞き耳を立てた。



