「ごめん木崎さん、立てないよ」
「…チッ」
しょうがねぇなとでも言うかのように舌打ちした木崎さんが、私の腰と膝裏に腕を置こうとした。
多分、私を抱き上げようとしているのだろうな?
…と、思った時だった。
『ワー カッコイイー デモネ…』
目の前に来た別の市松人形がスーッと私達の前へとやって来て、話しかけてくる。
その言葉と共に、緊張しすぎて今まで耳に入ってこなかった『通りゃんせ』の歌が気になった。
あれ?
歌が大きくなってる?
気付いた瞬間、身体中が総毛立つ。
身体に鈍く響き渡る歌に、悪い予感が私の思考を埋め尽くし…、
ゾクゾクと何かが背筋を這うような感覚に、身震いした。



