「諒ちゃん!」
私に背を向けている諒ちゃんの背後に一体、人形の手が諒ちゃんの腕を貫いている事に気付き手で口元を覆う。
やはり、人形が結衣達を襲い始めたのだ。
急いで助けに行かなくちゃ!
床に手をつきながら立ったが、足がガクガクと震える。
まるで生まれたばかりの小鹿のように、情けない事に立ち上がる事が出来ない。
思うように身体が動かないことにイラついて、自分の足を叩いた。
しかし、それでもダメで…。
ガリッ---
思い通りにいかない悔しさに唇を強く噛んでしまい、唇からヌルリと血が零れ落ちたのを感じた。



