【多恵SIDE】
あれから母ちゃんと離れた私は小道をゆっくりと歩いて行き、目的の場所である鳥居の中を潜る。
よくこの神社に遊びに来る私としてはいつも通りに鳥居を潜ったつもりだったのだけれど…、
何故か今日の鳥居は、薄気味悪く感じがする。
もしかして秋の夕暮れ時だからなのか、寒気に震えが走った。
なにかいつもの雰囲気が違うな…。
カァカァカァ---
どこからかカラスの鳴き声が聞こえてくるのはいつも通りなのに、『なにか』…が違っていた。
いつのまにか…、
自分の足が止まっていた事に気付く。
行きたくない---
そう思ったのは、どうしてなのだろうか?
お参りさえ早くすませば、後は母ちゃんのもとに帰れるのに…。
薄暗くなってきた神社もまた気持ちが悪くて、思わず自分の身体を抱き抱えた。



