「あった…」 カバンの中から出したのは、薄手のピンク色のカーディガン。 まだ肌寒い日もあるこの時期、いつでも着れるようにカバンの中にはいつもカーディガンを忍ばせてあったのだ。 本当にカバンの中に入れておいて良かったと、ほっと息をつきながらカーデガンを羽織る。 これならばボタンのないシャツを、誰にも見られる事はない。 後ろを見ると、今だ扉の開く気配はない--- まだ、木崎さんはジッ座り込んでいるのかな? 何となく後ろ髪を引かれながらも、前を向き歩き始めた。