「知らないわよ。…でも市松人形を奉っているお堂には入っちゃダメだって言われていて一度もその中に入った事がないから、本当かどうかまでは分からないわよ」 「…そっか。ありがとね」 そう言った瑞希はクルリとスカートをひるがえし、私に背を向けた。 自分の娘ながら美人に育ったその後ろ姿に見惚れていると、瑞希が振り返る。 ドキッ--- その顔があまりにも切なさに満ちていて、胸が締め付けられた。