【???side】
『お、お前・・・僕になにを・・・なにを・・した・・・。』
モニターに仲間の純が砂になっていくのが見える。
「あ~あ、純負けちゃったね。あんな弱そうなヤツに。(笑)」
「純ってけっこう強そうに見えたのにね。(笑)」
央久里と維安は仲間を嘲笑っている。
「バカでしょ。くだらない。」
モニターから目を背けると無表情のまま呆れて溜息をつく亜久里。
「「っていうか、あの女、誰?」」
佐未と時未がなぜか同時に同じことを言う。
「Zzz・・・、あっ、何話してた?」
帆州がしゃべるとなぜか空気が重くなる。
「あの女は、亜土が作った新しい、作るのが難しいロボットだよ。」
俺は目を閉じると暗くなってからすぐその場面がでてくる。
「よくも・・・よくも・・・純を倒したな!?(怒)俺があいつらをぶっ壊してくる!」
親友をなくした磨央は机をものすごい力でたたくと、次は椅子をおもいっきり蹴り飛ばした。
「おい、磨央。人間を・・・殺せ。」
目をあけると、自分の目の色が変わったことに気づく。
「わかった。」
一言だけ残してどこかへ行く磨央。するとモニターから音がしてきた。
「純、負けちゃったね。そりゃ、磨央も本気になるに決まってる(笑)」
モニターにうつったのは、自武さんだった。
「すみません、俺がちゃんとしってなかったせいで・・・。」
俺はモニターの前に行くと、一人跪き、顔を下げる。
「あー、もう顔上げてよ!別に君が悪い訳じゃないんだから!ね?悪いのは全部、亜土と亜土の作ったロボットだから・・・」
「わかりました。俺たちであいつらを倒します。」
「ありがとう、さすがだねドリーム。」
と、言って切られる。
「本当に全員、倒せるのか?」
立ち上がった俺に声を掛けたのは、亜久里だった。一瞬周りが静まる。
「・・・お前らも倒せよ?」
「うわぁ、久しぶりに―――がキレた~(笑)・・・あー、ごめんごめんって!そんなに怒らないでよ(笑)」
笑っている維安を睨みつけると、すぐに誤られる。

【祐樹side】
あれから一週間。嵐はまた寝てから一度も起きない。嵐が起きるのを待ちつつモニターでTVのNEWSを見ていると
「次のニュースです。今日午前2時に桜場市の中央道路近くでまた嵐(あらし)が起こりました。今日で5日連続です。」
「5日連続で嵐(あらし)が巻き起こるっておかしくないか?」
一緒にTVを見ていた雷人が不安そうに言う。
「もしかして・・・、あいつのせいじゃないか?」
和磨は何か心当たりがあるようだった。
「あいつって誰だよ?」
「天莉の磨央だよ。あいつは・・・ストーム。」
「ストームって嵐(あらし)って意味じゃ・・・」
「・・・天莉ってなんですか?」
急に後ろから声がすると思って後ろを振り向くと・・・
「嵐・・・ちゃん!?」
今さっきまで寝てたはずなのに、なんで今なんだ・・・
「あと、この前、なにがあったんですか!?」
と、かなり焦った様子で俺の手をぐいぐいと引っ張る。それに気づいた嵐は手を離して「ご、ごめんなさい」と言ってからずっと下を向いたままだ。
「いや、別にいいんだよ。で、天莉っていうのは、簡単に説明すると僕たちのライバルのロボットだよ。どういう繋がりがあるのかは知らないけどね。そういうとこの前の純も天莉軍の一員だよ。」
「天莉軍・・・」
嵐はなにかを考えているようだった。
「おいお前、目覚めたのか?」
今、部屋に入ってきた未知也が嵐に話しかける。
「はい、まぁいちよう・・・」
嵐は困っているようだった。これ以上、嵐を困らせないでくれ!俺はたぶん嵐のことを好きになっている。その時だった、未知也が嵐の眼帯を無理矢理取る。
「ちょ、ちょっと、な、なにするんですかぁ~」
「えっ!?ど、どうなってるんだ!?」
可愛く怒る嵐にびっくりする未知也。やっぱ嵐ちゃん可愛いな・・・なんて思って見とれているとあることに気づく。この前、嵐が純と戦っているとき眼帯が取れた。そのときは嵐の目は真っ赤だった。でも今は、右目も真っ黒になっていた。
「なんで、みんなそんなに驚いてるんですか?私なんかヘンなこと言いましたか・・・?」
嵐の目の色が変わっているのを俺以外のヤツも気づいていた。
「い、いや、なんでもねーよ」
と、眼帯を近くの机に置くとスタスタと部屋を出て行った。