【未知也side】
俺は安呂夭軍の中で一番強い。誰もがそう思っているはず。でも、あの女が亜土にあったってことで俺が二番目に強いみたいじゃなか。亜土に会ったのは、たまたまに決まっている。あんな女が安呂夭軍で一番強い訳がない。
「おい、未知也まてよ!」
うしろの方から声がする。祐樹だ。
「俺になんか用でもあるか?(怒)」
切れながら振り向いた、そのときだった。
祐樹の拳が俺の頬におもいっきりあたる。
「痛って、てめーな(怒)」
「別にこれぐらい痛くねーだろ、それより、さっき嵐ちゃんに言った言葉、いくらなんでもひどすぎだろ?俺が殴った時の痛みよりももっと心が傷付いただろう・・・」
「そんなこと知るかよ、あいつが亜土に会うほうが悪いんだよ!っていうか俺はただ思っていることを言っただけだ。お前みたいにウソはつかねーよ(怒)」
「まぁ、確かにそうかもしれない・・・。でも、初めてきた子にあんな言い方はないだろ?」
「祐樹に俺の気持ちがわかるわけない。それに、初めてじゃなくても俺はあいつを倒す。絶対になにがあっても・・・」
俺は祐樹を睨みつけると、自分の部屋に入る。
【祐樹side】
なんだよ、あいつ・・・っていうかなんで俺までキレてるんだ?たぶん俺は嵐のことを好きになっているんだと思う。
そう思いながら、元の部屋に入るとなにかにぶつかる。
「痛ってーな(怒)」
と、おもわずキレてしまう。そこにいたのは・・・
「あっ、ご、ごめんなさい。」
嵐だった。嵐は少し涙目になっている。
「い、いや、僕こそごめんね。大丈夫?」
ほかの奴だったらきっとキレていたとおもう。
「大丈夫です。あの祐樹くん、ここっていったい何をするところなんでしょうか?」
何をするところかぁ・・・、考えたこともなかった。
「えっと・・・、まぁ、日々自分が使うものを練習して、人間を狙う悪い奴らから人を守る!みたいなかんじかな?でも、ずっとそういうことないからさ。」
へんなアクションをしたせいで、ほとんどの奴が笑ってる。嵐ちゃんは天然らしいのでなにかを考えているようだった。
「自分が使うもの?」
「たとえば、僕だったら日本刀持ってるでしょ?ほかにもいろんなものがあるんだけど、嵐ちゃんはなんにも持ってないし、女の子だからきっと魔術を使うとおもうよ。そういうと・・・!?」
そうだ、魔術は未知也も使っている。あいつと練習させたら、きっと嵐は・・・
「どうしたんですか、顔真っ青ですよ?」
「いっ、いや、なんでもないよ・・・」
俺は「あははは」と苦笑いしてしまう。すると、モニターに亜土さんがうつる。
「嵐は祐樹の言うとおり魔術を使うんだよ。でも、嵐は練習しなくてもいい。それと、少し街のほうへ降りたところに広場があるでしょ、そこのとなりに使われていない倉庫があるでしょ?そこにみんな来てくれ。」
モニターが砂嵐になると、
「何するんでしょうか?」
と、隣にいた嵐が不安そうに言う。
「いってみないとわかんない・・・。じゃあ、行こうか。」
【嵐side】
安呂夭をでると、そこは暗い森の中だった。それから少し歩くと遠くのほうに街があった。また少し歩いたところに小さな噴水とその近くに古びた倉庫があった。その倉庫のなかに入ると、倉庫とは比べ物にならないぐらい新品なモニターがなぜか二つおいてあった。
「ここで何しろって言うんだよ。」
未知也くんは呆れて倉庫から出ようとしたときだった。ものすごい音と共に、地面や壁から木が生えてくる。あっという間に、倉庫の中は木がたくさん生えていた。
「あっ、あれ?どうしよう、ナイフが1本なくなっちゃった・・・。」
「おい、これ、さっき落としたぞ。」
拓海くんがナイフを探してると、後ろにいた雷人くんが持っていた。
「あ~、ごめんごめん。」
と、拓海くんがナイフを取ろうとすると木々のなかのほうから声がした。
「こいつらが亜土ってのが作ったロボット!?なんか全部弱そ~(笑)」
「おいおい、誰が弱いって?(怒)」
祐樹くんがキレていると、誰かがこっちに向かって歩いてくる。
「へ~、かなり強気だね。僕は純W-912のウッドだ。そっちはいちいち武器なんか使ってんだね。」
「こっちだって武器なんて使ってないヤツがいるぞ。」
うしろから未知也くんが言う。
「使ってないのは君のこと?」
「俺も使ってないけど、今回お前が戦うのは・・・こいつだよ!」
少しキレながら指を指したのは・・・私!?
「えっ、なんで私が!?」
「俺も使ってな・・・」
「安呂夭軍の中で一番強いんだろ?ならちゃんと力見せてみろよ」
雷人くんは途中で無視されてしまう。雷人くんも武器は使っていないけど今は拓海くんのナイフを持っているから、勘違いされているようだ。
「嵐ちゃんはまだ入ってすぐだろ?お前が戦えばいいだろ」
「まぁ、誰でもいいよ!じゃあ、そこの女の子で」
えっ、誰でもいいって言ったじゃないですか!(泣)
「ほら、相手もお前がいいって!」
真後ろから声が聞こえたと思ったら、おもいっきり背中を押される。
「じゃあ、手早く終わらせようか!」
すると、足もとからたくさんの木の幹がでてくる。私はびっくりして逃げてしまう。逃げていると、木の枝が飛んできて足に刺さる。私は逃げるのを止めてしゃがんでいると、木の幹が足に絡まる。すると、左から木の幹が出てきたと思ったら、次は左手に絡みつく。もうダメだ・・・と諦めかけていると右からも木の幹が出てきていた。どうにか手をとられないように振っていると木の枝が私の顔めがけて飛んでくる。その枝は私の顔をかする。ちょうどそのとき目を隠していた眼帯がとれると、私は顔の力が抜けてしまう。でも、なぜか私の視線は変わらない。斜め上には純くんがいた。それともう一人・・・無表情でこっちを見ている男の人がいた。それからの私の記憶はない。
俺は安呂夭軍の中で一番強い。誰もがそう思っているはず。でも、あの女が亜土にあったってことで俺が二番目に強いみたいじゃなか。亜土に会ったのは、たまたまに決まっている。あんな女が安呂夭軍で一番強い訳がない。
「おい、未知也まてよ!」
うしろの方から声がする。祐樹だ。
「俺になんか用でもあるか?(怒)」
切れながら振り向いた、そのときだった。
祐樹の拳が俺の頬におもいっきりあたる。
「痛って、てめーな(怒)」
「別にこれぐらい痛くねーだろ、それより、さっき嵐ちゃんに言った言葉、いくらなんでもひどすぎだろ?俺が殴った時の痛みよりももっと心が傷付いただろう・・・」
「そんなこと知るかよ、あいつが亜土に会うほうが悪いんだよ!っていうか俺はただ思っていることを言っただけだ。お前みたいにウソはつかねーよ(怒)」
「まぁ、確かにそうかもしれない・・・。でも、初めてきた子にあんな言い方はないだろ?」
「祐樹に俺の気持ちがわかるわけない。それに、初めてじゃなくても俺はあいつを倒す。絶対になにがあっても・・・」
俺は祐樹を睨みつけると、自分の部屋に入る。
【祐樹side】
なんだよ、あいつ・・・っていうかなんで俺までキレてるんだ?たぶん俺は嵐のことを好きになっているんだと思う。
そう思いながら、元の部屋に入るとなにかにぶつかる。
「痛ってーな(怒)」
と、おもわずキレてしまう。そこにいたのは・・・
「あっ、ご、ごめんなさい。」
嵐だった。嵐は少し涙目になっている。
「い、いや、僕こそごめんね。大丈夫?」
ほかの奴だったらきっとキレていたとおもう。
「大丈夫です。あの祐樹くん、ここっていったい何をするところなんでしょうか?」
何をするところかぁ・・・、考えたこともなかった。
「えっと・・・、まぁ、日々自分が使うものを練習して、人間を狙う悪い奴らから人を守る!みたいなかんじかな?でも、ずっとそういうことないからさ。」
へんなアクションをしたせいで、ほとんどの奴が笑ってる。嵐ちゃんは天然らしいのでなにかを考えているようだった。
「自分が使うもの?」
「たとえば、僕だったら日本刀持ってるでしょ?ほかにもいろんなものがあるんだけど、嵐ちゃんはなんにも持ってないし、女の子だからきっと魔術を使うとおもうよ。そういうと・・・!?」
そうだ、魔術は未知也も使っている。あいつと練習させたら、きっと嵐は・・・
「どうしたんですか、顔真っ青ですよ?」
「いっ、いや、なんでもないよ・・・」
俺は「あははは」と苦笑いしてしまう。すると、モニターに亜土さんがうつる。
「嵐は祐樹の言うとおり魔術を使うんだよ。でも、嵐は練習しなくてもいい。それと、少し街のほうへ降りたところに広場があるでしょ、そこのとなりに使われていない倉庫があるでしょ?そこにみんな来てくれ。」
モニターが砂嵐になると、
「何するんでしょうか?」
と、隣にいた嵐が不安そうに言う。
「いってみないとわかんない・・・。じゃあ、行こうか。」
【嵐side】
安呂夭をでると、そこは暗い森の中だった。それから少し歩くと遠くのほうに街があった。また少し歩いたところに小さな噴水とその近くに古びた倉庫があった。その倉庫のなかに入ると、倉庫とは比べ物にならないぐらい新品なモニターがなぜか二つおいてあった。
「ここで何しろって言うんだよ。」
未知也くんは呆れて倉庫から出ようとしたときだった。ものすごい音と共に、地面や壁から木が生えてくる。あっという間に、倉庫の中は木がたくさん生えていた。
「あっ、あれ?どうしよう、ナイフが1本なくなっちゃった・・・。」
「おい、これ、さっき落としたぞ。」
拓海くんがナイフを探してると、後ろにいた雷人くんが持っていた。
「あ~、ごめんごめん。」
と、拓海くんがナイフを取ろうとすると木々のなかのほうから声がした。
「こいつらが亜土ってのが作ったロボット!?なんか全部弱そ~(笑)」
「おいおい、誰が弱いって?(怒)」
祐樹くんがキレていると、誰かがこっちに向かって歩いてくる。
「へ~、かなり強気だね。僕は純W-912のウッドだ。そっちはいちいち武器なんか使ってんだね。」
「こっちだって武器なんて使ってないヤツがいるぞ。」
うしろから未知也くんが言う。
「使ってないのは君のこと?」
「俺も使ってないけど、今回お前が戦うのは・・・こいつだよ!」
少しキレながら指を指したのは・・・私!?
「えっ、なんで私が!?」
「俺も使ってな・・・」
「安呂夭軍の中で一番強いんだろ?ならちゃんと力見せてみろよ」
雷人くんは途中で無視されてしまう。雷人くんも武器は使っていないけど今は拓海くんのナイフを持っているから、勘違いされているようだ。
「嵐ちゃんはまだ入ってすぐだろ?お前が戦えばいいだろ」
「まぁ、誰でもいいよ!じゃあ、そこの女の子で」
えっ、誰でもいいって言ったじゃないですか!(泣)
「ほら、相手もお前がいいって!」
真後ろから声が聞こえたと思ったら、おもいっきり背中を押される。
「じゃあ、手早く終わらせようか!」
すると、足もとからたくさんの木の幹がでてくる。私はびっくりして逃げてしまう。逃げていると、木の枝が飛んできて足に刺さる。私は逃げるのを止めてしゃがんでいると、木の幹が足に絡まる。すると、左から木の幹が出てきたと思ったら、次は左手に絡みつく。もうダメだ・・・と諦めかけていると右からも木の幹が出てきていた。どうにか手をとられないように振っていると木の枝が私の顔めがけて飛んでくる。その枝は私の顔をかする。ちょうどそのとき目を隠していた眼帯がとれると、私は顔の力が抜けてしまう。でも、なぜか私の視線は変わらない。斜め上には純くんがいた。それともう一人・・・無表情でこっちを見ている男の人がいた。それからの私の記憶はない。
