今は、1613年だ。ここは超能力者が集まる場所だ。
男12人、女1人の合計13人。
しかし、あるときから彼らの行方がわからなくなっている。
そう、必要な超能力者が集まってしまったから・・・
【祐樹side】
 『復讐』か・・・。俺にはまったく意味がわからない。でも、いつか俺も誰かに復讐するときがくるのか?
そんなことを考えている俺の近くでみんながTVのバライティ番組を見ていた。それは「我ら人間の敵~安呂夭について~」という題名だった。
「なんでこんな番組見てんだ?」
「だってなんか気になるじゃ~ん!」
まぁ、確かにそうだけどさ・・・
「安呂夭は天莉にくらべてとても悪い奴らです。いつか我らの地球を奪って人類を支配するつもりでしょう。」
「「なんだこれ・・・・」」
俺と未知也が同時に同じことを言う。
「たぶん、最近の悪い天気も安呂夭のせいでしょう。」
天気?そうか、「Aron」は地下にあるから窓もないし、外にでないと天気がわからないんだったな。
「ねぇ、それってさ絶対天莉のせいでしょ。ほら」
と言って、涼太は天莉のポスターを指さした。その中に、「クラウド」というやつがいた。
「クラウドってことは・・・雲か・・・。」
「雲を自由に操るって意味か?でも、雲操っていいことなんてあるのか?」
涼太は相変わらずバカだな~。
「いや、どちらかというと雲を操るってより天気を操るって感じだろう。」
「そうだな。まぁ、簡単に説明すると、ずっと晴れてると大地は渇いて、反対にずっと雨だと川や池があふれてしまう。」
「じゃあ、曇りは?」
まさか、そんな質問がでるとは・・・。
「曇りは・・・えーっと・・・そうだ!洗濯物が乾かない!!」
「「「主婦か!!?」」」
真面目にこたえたはずなのに、おもいっきりツッコまれる。
「それじゃあ、雨の日も雪の日もそうだろ。お前もだんだんバカになってんじゃねーか?祐樹」
こいつ・・・、俺に何回恥かかせれば気が済むんだよ!?でも、そうだよな・・・。じゃあ、クラウドの狙いはなんなんだ?
【亜土side】
 僕は今、自武と話している。
「そろそろ彼女を返してくれないか?」
「僕はいいんだけれど、彼らや彼女自身はあんなこと信じたくないと思うよ。もし信じたとしてもそっちには行かないよ」
僕は信じてる。彼女があっちに行かないことを。そして、彼らが過去を思い出してくれることを・・・。
【嵐side】
 復讐。あのことが本当ならば私もいつか復讐をしなければならないのかもしれない。
「嵐ちゃん?ちょっといいかなぁ?」
と賢人くんに言われて、私は静かにうなずく。
「嵐ちゃんはロボットになる前の記憶ってある?」
「いや、たぶんないです・・・。賢人くんはあったんですか?」
「僕も最初はなかったよ。でも、亜魔野さんに昔の記憶を見せられたんだ。そういうと亜魔野さんの超能力はイリュージョンだったはず・・・。」
イリュージョンってことは幻覚か・・・。みんな、不思議な超能力を持っているものだ・・・。
するとそこに涼太くんが来て話に入る。
「そういうと亜魔野さんって人間らしいよ。まぁ、噂だけどね。それに、亜土さんも!」
「でも、あの時見た顔と同じだし、もし人間だったら死んでるはずだ。」
「じゃあ・・・、不老不死の人間とか!?」
「まぁ、それもないことはないよな・・・。」
「?」
なんの話だろうか・・・?
「あっ、嵐ちゃんごめんね。い、いつか嵐ちゃんもわかると思うよ!じゃ、じゃあまたね。」
と言って2人とも笑いながら自分の部屋に帰っていった。
『いつか嵐ちゃんもわかると思うよ』。そのいつかがあれほど近いうちにくるとは・・・。