「お前、好きな奴いないの?」


「ん?いないよ?」


嘘。
いるよ。

隣の席の彼女。

だけどそれは内緒。

僕だけの秘密。


「へー。ってことは彼女いないんだ?」


「いないよ。」


「もったいねー。」


「なにそれー」


「いやだってけっこう顔いけるぜ?」


「それ君の事じゃないの」


「嘘つけ自覚しろ」


ほっぺをつままれる。


「ほ、ほんほーのほほひっははけはんーっ!!」


「ははっ、何言ってるか全然わかんね!」


ぱっと手を離されほっぺをさすりながら答える。


「本当のこと言っただけじゃんって!」