「good-guys…。
“グッドガイ人形は
米国PLAY PALS TOYS社が製造する。
乾電池(単1)で動く。手や足、
首や口を動かし、高い声で
"Hi. I'm ○○(○○には個体名が入る)
and I'm your friend to the end. Hidy ho-."
などと喋ることができる。”」

サユカは オフィスの
掃除をしているエリー、
書類に書き物をしている
アルス…。それと 机に向かい、
パソコン作業をしているスタンを
知らん顔して スマホを開き
“Wiki”で 何処かへ行ってしまった
グッドガイ人形の情報を調べていた。
そのグッドガイ人形の写真も
記載されている所を見ると
どうやら、あの箱に書かれている
様にオーバーオールに ロン毛の
男の子の人形だと言うのが、分かった。

「PLAY PALS TOYS社?」

「“プレイ・パルズ・トイ社”。
確か 何年か前に“不良品”があった
とかで、事件になって 潰れた玩具会社だな」

パソコン作業をしていた
筈のスタンが いつの間にか
プレイ・パルズ・トイ社の過去の
事件を検索して、サユカに話していた。

「不良品…。
その事件って……?」

「きゃあああっっ!!!」

「!エリー…ッ?!」

突然、バスルームを
掃除していた彼女の悲鳴が
オフィス中内に響いた。サユカは、
一目散に バスルームに、走り出し
スタンとアルスも 彼女に続き
エリーの悲鳴に驚きながら 走った。

「どうした…ッ!?」

サユカは 先に
バスルームに入ると
後ろ向きのエリーへ声をかけた。

辺りに血痕は見当たらない。
どうやら エリーは無事な様だ。

…しかし、何故か
エリーは後ろ向きのまま…。
サユカの方を 振り向かなかった。

「………エリー?」

おそるおそる…
サユカは 彼女の肩に手をかけた。

“バッ…!”

「ハーイ!ボク チャッキー!」

「 !?…うっわ…ッ!」

エリーが なんと…
自分の顔の上まで 人形を
抱え、その人形は 「チャッキー」
っといきなり喋りだしたので
サユカはびっくりして 後ろによろめいた。

“トン…ッ”

彼女の後ろでは
スタンとアルス…。
よろめいたサユカを支える
スタンだったが、そのチャッキー
っと名乗った人形に 声が出なかった。
…アルスもアルスで、口に手を当て
チャッキーに釘付け。まるで声が出ない。

チャッキーは 確かに
あの箱の書かれていた
男の子で、ロン毛に柄の
オーバーオール そして、
赤いラインが入ったシューズ
を履いていて、身長は 50cm
位の赤ちゃん並みの大きさだった。