START OF CHUCKY



「俺の事……嫌いか?」

「…うんん。嫌いなんかじゃない。
嫌いだったら こんな素肌…、晒さない」

「ごめん…。
無理矢理 こんな事して…。
でも、お前が……可愛くて…。
愛しくて…。どうしても欲しくなる…」

「……スタン……」

「…お前の…スベテが…―。
愛しい…。愛しいんだ。…サユカ」

“ギュ…ッ”

サユカは スタンを
強く…、強く… 抱き締めた。

恥ずかしさ等 最初っから
無かった振りをしていたのは
当然だが、もはや今の彼女には
スタンに愛しさ等 ある訳が無かった。

――しかし スベテを
ぶち壊されまいと彼を
抱き締め、首筋に流れる
血の香りに 覚醒した瞳を
赤らめ、月明かりに照らされていた。

…っと 彼を抱き締めていた
時、赤い蝶が サユカの目の前を
通り過ぎて行った。その赤い蝶に
赤い瞳で 微笑み、スタンの 首筋に
食らい付く前に“終わらせ”様と彼に、

「…スタン……。キスして…―」

「あい…して…る。サユ……カ」









彼の唇が サユカの
唇に、触れたかと思うと…
そのまま スタンは、バッタリ…。
ベッドへと 倒れてしまった…。
どうやら、先程 チャッキーがスタンの
ウォッカに大量に入れた睡眠薬が効いた様。

キュッと自分の唇を
拭うと、サユカは ベッドから
起き上がり、月明かりに照らされる
赤い瞳をスタンへ見下す様に見ていた…。

そして 先程…
サユカの目の前を通り過ぎて
行った、赤い蝶が ヒラヒラと
サユカの前で、踊る様 舞っていた。

「…カイルが 俺を呼んでる…」

手のひらに、赤い蝶を
乗せたサユカは そう呟いた。

そしてベッドから、
立ち上がり スタンの
クローゼットにあった
バスローブを着て もう一度、
眠り倒れたスタンを見る……。

「………。愚鈍で下賤。…卑劣な男ね」

赤い蝶は、眠り倒れた
スタンの方へ ヒラヒラ
舞い、首筋から彼の血を
吸血し しばらくしてから
又サユカの手のひらにやって
来て、そのまま…。サユカの手の
ひらから 吸収される様に 消えて行った…。

――そして、サユカは
右薬指から 無表情のまま
スタンがくれた、カルティエの
ペアリングを外すと 彼が倒れ
かかったベッドに、指輪を投げ付ける。

裸足で スタンの
部屋のドアへ向かい、
取っ手に 手をかけたサユカは
月明かりで赤く輝く瞳で、彼に向かい、
























「…さよなら。“あたしの”
運命の人……。スタン……――」













そう 言い残すと
部屋から、早々 去って行った。