『…箱?』

「うん。縦・50㎝はあるかな…」

『包装 開けてないんだろ?』

あれから、ハワードが
迎えに来たベンツに サユカは
後部座席に座り、スタンと電話していた。

…あれだけ探し回った
例の箱は 呆気なくハワードが
ソファーの後ろに投げ出された
様に、転がっていたのを発見し 彼は
サユカの「それ オフィスに持ってく」
っと言う指示によってベンツへ…。
ハワードは、運び 彼女はその隣へ座った。

彼は、その箱が 気になっているのか
バックミラーを見て、箱をチラチラ…。

危なっかしい運転だったが
サユカは 注意するのが億劫だった
ので、知らん顔しながら スタンに、

「開けてないよ。
…何か 気持ち悪いし(´・ω・`)」

『じゃあ、こっちで開けようぜ』

「うん。もうすぐ行くから」

『あぁ。待ってるわ(*´∀`)♪』


「じゃあ…」っと
サユカは 電話を切った。

そしてそれを
待ってたかの様にハワードが、

「中身は なんなんです?」

「ハァー」っとデカい
溜め息をついた彼女は 彼に、

「…まだ包装も破いて
無いのに 解る訳ないじゃん」

「はぁ(´・ω・`;)
朝から訳の解らない物
送られて来て、サユカ様も
さぞかし 気分悪いでしょう?」

「まぁね…。多少は。
けど… 殺し屋やってる時
希に、意味不明な手紙とか
ブツが送られて来た事があった。
……もう大分 昔の話なんだけどね」

「じゃあ…、今回もその手では?」

「どうだろうね…」

サユカは 箱を
持ち上げ、上下に振ってみた。

しかし ガシャガシャ
とか、妙な音はせずに 重さも
それ程ある訳でもなかった…。

あの時…、
配達業者の男も
それ程、重たそうにして
いなかったし ウィリアム・フォード家
の、このSP・ハワードですら ひょい
っと、持ち上げる事が出来た この箱……。

サユカの推測から
すれば、なにか……
軽いものだと思ったが
後は 推測出来なかった…。

やはり、開けて
みねば 解らないだろう。

「あ!」

「…どうした?ハワード」

麻薬取締局前の
赤信号で 丁度、赤に差し
掛かり ベンツを停めたハワードは
なにかを思い付いた様な声を出した。
サユカは、その時 空を見上げていたので
ハワードのいきなりの声に、びっくりした
が 内心、偽って 後部座席から前に乗り出す。

「解りましたよ!
箱の中身が☆(*゜∀゜)v」

「へ?(゚д゚)」

…何故か目を
輝かせて サユカを
見ながら、ハワードは
ニカニカして 発言して来た。