「なに……?
サユカの様子が?」
違うリビングで
くつろいでいたスタンに
サユカの頼んだテキーラ、
そっちのけで ジィは彼に報告していた。
「は、はい…。
今は一人にしてくれ
っと お申し出でして……」
肘をソファーにつき
顎に手を当てたまま…
少々 スタンは考えてから、
「…目の色は どうだった?」
「は……?;」
「目の色だ 色。
赤…、じゃなかったか……?」
「いえ…。
至って 普通の
サユカ様の瞳で御座いました」
…おかしい。
サユカは 此処ずっと
タブレットを服用してた筈だ。
だが、何故
今 俺と距離を取ろうとする…?
…さっきのナイフを投げ付けた
事といい“ナニか”が ねじれている。
タブレットを
服用し続けている限り、
サユカは“覚醒”しない筈だ……。
なんなんだ?
一体…“ナニ”が
起ころーとしてんだ…?
さっきから……
胸騒ぎがする………。
「では… 坊っちゃん」
頭を下げた
ジィは、廊下で
サユカが頼んだテキーラを
バーテンダーから受け取り、
リビングのドアを閉めようとした。
「待てっ ジィ…!」
「…は、はい?」
「それは なんだ…?!」
シルバーに光る
トレーの上には…。
まるで血の色の様な…
真っ赤に光るテキーラ…
El Diabloが入ったグラスが。
「サユカ様が…
飲みたいと申されました。
“エル・ディアブロ”で御座います」
“カッ!ゴロゴロ…
ガガァァアーーンッッ!!!”
「…――!…ま、さか……サユカ…!」
“プツッ”
「あれっ……?!」
サユカ一人…
今の雷が 近くに
落ちたのか、停電し
上のシャンデリアは勿論
テレビの電源も 落ちた様だ。
「…停電か。
まぁ 暫くすれば
つくよね。…あ…れっ?
…………。…チャッキー?」
そう… 彼が、いつの間にか
彼女の膝から いなくなっていた。
――彼は、この時を待っていた…。
「…チャッキー?
…何処?…チャッキー!?」
立ち上がったサユカは
周りを慌てて 探し回る……。
「ヒー!ヒッヒッヒッ!!」
「!?……誰…っ」
何処からか聞こえる…。
デスヴォイス。彼女は慌てた。
「俺だよ俺。チャッキーだ」
「え?…な、んで しゃべ……」
「サユカ…。
綺麗だぜ。マジで。
乱したくなる程…。その
ソファーで 犯したくなる程…。綺麗だ」
