ウィリアム・フォード家に
二人が着いた頃には 既に
雨が降り出してしまった………。

スタンは 自分の新品の
車を濡らす事に、ご立腹
になり「クソッ!」などと
叫び ウィリアム・フォード家の
門が、ゆっくり開くのに苛々して
ハンドルをガツンッと殴っていた…。

サユカは そんな彼を
呆れた顔で見ているしか無かった。
此処で、口を出そうものなら
「うっせぇ…ッ!」っと
なおさらキレるだろうと思っていた
訳で 呆れた顔をしているしか無かった。

そして 車を
玄関近くに停めた途端、
ジィと三人のメイドが
屋敷から 出て来た。スタンは
サユカより、先に 雨が降る外へ
出て彼女の助手席を開け 彼女が
濡れぬ様に、上着をサユカの頭に被せ
ウィリアム・フォード家、玄関に入った。

「これは これは…。
サユカ様。お久しぶりで御座います」

ジィと三人のメイドは
サユカへ丁寧に 頭を下げる。
いつもの事ながら、何故か自分へ
頭を下げるジィとメイドに照れてしまった。

「あっ… 久しぶり!
代わり無いみたいだね(^_^)ジィ」

「ええ(^-^)このジィ いつ、
サユカ様が お帰りになるかと
お待ちしておりました。今宵は
生憎の雨で、御座いますが(ω`;)」

雨に濡れた上着を
メイドへ渡し 用意された
タオルで、頭を拭いたスタンは
真剣な表情をして ジィに…、

「ジィ…。
話は 後だ。早く、
俺の車を仕舞って来てくれ。
荷物は リビングにな。それと……
サユカをバスに入れて着替えさせてやって」

「かしこまりました」

ジィ及び メイドは
スタンに一礼すると
ジィは、雨の中 車を仕舞いに…。
サユカはメイドに「此方へどうぞ」
っと言われ、彼女は メイドに、
着いて行こうとした 時 スタンが、

「サユカ」

「ん…?」

「リビングで待ってる」

にこやかに
話したスタンは
身を翻すと 自分の部屋へ。
彼もバス・着替えに向かった様だった。

そして、
サユカはメイドへ
連れられ客専用の
バスルームへと来た。
この客専用バスルーム…
やたらと 広々していて
まるで、ジャグジーになっていた。
服を着服したり出来る脱衣場は
サユカ独り使うには 有り得ない広さだ。

取り合えず
サユカは 疲れを
取る為 バスに入る際、
脱衣場に居るメイドに

「独りで入るから…。
…あの…、悪いけど
廊下で待っててくれる?」

っと、服をメイドが見ている
前で 脱ぐ事が、恥ずかしかった
ので 思わず、そう言ってしまった……。