サユカは 膝の上に
チャッキーを置いて
シートベルトをする。
それに続き、スタンも
車のエンジンをかけ
シートベルトを締める際 彼女に、

「その人形…
気に入ったみてぇじゃねーか」

などと 又、へそを曲げた
様な言い方をしてしまった。
サユカは「ん?」っと チャッキーを見て

「別に…。
気に入った訳じゃ無いけど…」

「さっきっから
ずっと 抱っこしっぱなし
じゃねーか。怖がってた癖に…」

スタンは 彼女を見ず
煙草を加え、ハンドルに
両腕を置いて 又してもひねくれた
様な言い方をしてしまった…。
なにが言いたいのか…、サユカには
全く スタンの考えている事が解らなかった。

「…ただの人形だよ?
なんで、そんな ムキになんの?」

“ギシッ”

「!ちょ…っ やっ…んっ」

いきなり 彼が
助手席に座るサユカに
のし掛かり、チャッキーを
潰して 無理矢理キスして来た。

激しいディープキス…。

ベンツは
スモークガラスなので、
見られる事は無かったが
サユカは こんな所で、無理矢理
キスされるとは思いもしなかった
ので はんば、抵抗したが スタンの
力には勝てなかった。

「…ん…っ…あ…っ」

…暫く ディープキスされ
胸を揉まれたが、ようやく
サユカから 顔を上げたスタンは、

「……。ごめん」

っと言い、車を動かした。
又 サユカはブラとキャミの
線を直すと、呼吸を整え 彼が
チャッキーに嫉妬しているのだと
ようやく、気が付いた…。だが 口にはせず

「……スタン」

「…………」

二人は 暫く、沈黙。
サユカは なにか話そうと
したが、言葉が見付からず
チャッキーの乱れた髪を直して
チラチラと運転をするスタンを
気にしていたが 彼もなにも喋らない
ので、自分も喋らず 雨が降りそうな
空をスモークガラスの窓から見ていた…。


























そして 車は、いつしか
コンビニへと到着した…。
隣には ドラッグストアがある。

コンビニの駐車場に
車を停止させたスタンは
ようやく、サユカへ声をかけた。

「ごめん…ほんと。
無理矢理 キスしちまって。
ヤキモチ妬いてたんだ…
その、チャッキーに………」

口に手を当てて
少し照れくさそうに
そう言ったスタンに
サユカは キュンっとした。
本当に反省しているのが
彼女には、ちゃんと伝わってくる。
そして サユカに向き合ったスタンは、

「お前の
ココロもカラダも
全て…、俺のもんだから。
この指輪に誓って…………。
俺は、お前だけを愛してる…」

「スタン、俺も愛してるよ。
俺の全ては スタンのものだから…。
他の奴なんか要らない。スタンだけが
要れば、他になにも要らないし 望まない…」

「…サユカ」

ホッとした
顔を見せたスタン。
サユカの言葉に 嘘・偽り等、感じない。
彼女も本当の事を口にしたのだ……。

手を繋ぎ合った二人は
笑い、いつもの二人に 戻った。