昨日のことを思い出してしまいそうだったから 走って階段を下りた。 そして、最後の一段を下りた時―――… 「本気で勇雅狙おっかな!!」 「え、彼女いんじゃん。」 知らない女の子たちの会話が耳に入って来た。 ―…本気で狙う? 私、彼女だよ……? 私の存在にも気付かずに、会話を続ける女の子たち。 「だって昨日メールしたんだけど、今彼女と喧嘩してるっぽくてさぁ!!」 「まじで!?」 「多分ね。勇雅テンション低かったもん。」 「福永さんに勝てんの!?」 「顔以外は負ける気がしないね!!」